コラム

2004/07/13

「検査報告」ねつ造(水・YH)

2004.07.13 【「検査報告」ねつ造】

▼年金制度、イラク問題などを焦点として第20回参院選が11日終え242名の半数121議席が決まった。市井の我々に与えられた選挙権は有効に活用されたろうか

▼我々は直接生命に関わる事象の方が隅々まで見渡せば興味深い。例えば先週JR西日本が自ら公表した検査記録のねつ造だ。この事実が明らかになったとき怒りが頂点に達した思いであった。三菱自動車の経緯はご承知の通り。鉄道は大量輸送である。もしもの時は自動車事故をはるかに超える惨事が予想されるものだ

▼全国紙はせいぜい三面隅の四段見出し、TVやラジオではシンプルに報じられたのみ。市民の直接生命に関わる重大事件ではなかったか。顛末は、JR西日本管轄の広島市内在来線の橋梁33箇所の定期検査を、さも実施したように記録をねつ造。さらに山陽新幹線のトンネルや在来線の橋梁588箇所に至っては12〜16年度の5年間記録を改ざんした

▼担当者は「間違いに気付いた時は、すでに遅いと考え、ねつ造をした」と話しているものの、相談したとする上司は「覚えが無い」と。こういったケースの典型である。利用者ひいては国民の命を何と考えているのだろう。当然「人の命より自らの保身」を優先したのだろう。プライドが見えない

▼もし、トンネルや橋梁が倒壊等の事故になった時、真っ先にやり玉に挙げられるのは理不尽に施工者たる建設業界だ。当たり前だが、こうした検査ねつ造は言語道断。幸いにして事故には結びつかなかったものの猛省を促したい。公共事業予算が削減されているが、生命財産を守るインフラまでいい加減にされることは願い下げたい。(水・YH)

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