コラム

2004/07/16

「宝くじ」あれこれ(甲・EO)

2004.07.16 【「宝くじ」あれこれ】

▼東京都千代田区の宝くじ売場から宝くじ券4400枚盗まれ、容疑者が5月に逮捕された。盗まれたのは全国宝くじ4000枚と東京宝くじ400枚。いずれも一枚200円で、総額にして88万円になる

▼最高で1億円が当たる宝くじだったが、同容疑者は「徹夜で新聞で調べたが、当たったのは末等の200円ばかりで、全部合わせても8万円ほどにしかならなかった」と情けない供述をしているという

▼この件を見ても分かるように、宝くじで高額が当たる確率は極めて低い。宝くじ(数字選択式以外)の購入理由は、「賞金目当て」と「大きな夢があるから」が二大理由だ。「賞金目当て」のポイントが毎年上がり、今では60・4%と、購入動機が年々現実的になっているという

▼我が国の法律で認められた競馬、競輪、競艇などの公営ギャンブルの控除率(寺銭)は25%。しかし、別法で例外規定が定められ、宝くじは52%。サッカーくじのtoto50%と売り上げの半分以上が寺銭となってしまうのだ。発売総額のうち、賞金と経費などを除いた約40%が収益金として、発売元の都道府県や指定都市へ納められ、公共事業等のために使われる

▼宝くじは「夢を売る」のだそうだが、現実はどうだろう。多くは、リストラされたり、一家の大黒柱が事故に遭ったりしての不幸が、宝くじ購入の動機となっているという。「夢を売る」というと聞こえは良いが、実態は国家の独占によって年間約1兆円の売り上げのうち、5000億円もの税金を搾り取る公営ギャンブル。しかも、その多くの部分が、より社会的に弱い立場の人々から搾り取った税金なのだ。(甲・EO)

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