コラム

2004/07/27

集中豪雨の教訓(水・YH)

2004.07.27 【集中豪雨の教訓】

▼概ね直径数10?の範囲に1時間に50?以上の雨が降ったケースを集中豪雨と定義。今月12、13日に新潟、福島県で、17、18日には福井県で文字通りの集中豪雨に見舞われた。新潟県で死者15名、福井県では3名という甚大な被害

▼過去5カ年の公共施設被害状況が国土交通省から発表されている。7月現在の累計被害は平成11年2万2856箇所2201億円、12年7077箇所1126億円、13年1万6717箇所2140億円、14年1万2028箇所1925億円、15年8042箇所1046億円。そして今年が3441箇所456億円

▼近年にしては少ないが、テレビでは「この世の終わり」的なアナウンサーの報告、映像だ。濁流の中、必死で車に固執する男性の映像は「対岸の火事」的に見ると実に滑稽だ。しかし、当事者にとっては一抹の好結果を期待する。大切にしている車だ。放棄するには決断がいる

▼気象庁の資料に1971年からの豪雨被害データがある。死者レベルでみると1982年7月長崎県で299名、次いで1972年7月熊本県122名、1983年7月島根県107名など。河川の築堤基準は被災例が多い南部では時間70?と高いレベルを想定して整備が進められている。しかし「予算が無いから進まない」という

▼公共事業は国民の財産を守るためにこそ使われるべきでは。しかし「公共事業は不要」と、矛盾した公約を叫んで票やお金を稼いでいる先生や評論家が多い現実。予防こそ最大の防災なのだが。被災地で孤軍奮闘している建設業者、自衛隊、消防等々の人々に頭の下がる思いだ。そして2億円を匿名で贈った人に。(水・YH)

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