コラム

2004/07/30

「鯨」は人を救う(新・MS)

2004.07.30 【「鯨」は人を救う】

▼夏のスタミナ源と言えば、やはり鯨汁。とうが、カボチャ、ナス、ジャガイモ等の野菜に鯨の白身を入れ、味噌味で仕上げる。鯨の脂が野菜に染込み、抜群にうまい。かつては毎日のように食べていたものだが、最近は食卓に上がる事も少なくなった。調査捕鯨分しか市場に出回らない現状では、仕方のないことであろうか

▼鯨の注目すべきは栄養価にある。牛、豚、鶏肉に勝る蛋白質や鉄分、更に不飽和脂肪酸が多く、血中のコレストロールを下げる作用があり、動脈硬化や高血圧、心臓病などを予防する。またDHAやEPAも豊富だ。DHAは脳を活性化し、目の疲れや老化を防止する。EPAは血液の凝固を抑制し、血管の病気、発ガンを予防する効果も認められている

▼IWC(国際捕鯨委員会)では、捕鯨禁止を掲げているが、シロナガス鯨など一部を除けば、ミンクやマッコウ鯨など逆に増え過ぎている種類も多いようだ。全種にストップをかけるのは過剰保護の声も

▼2002年1月、鹿児島県大浦町の海岸にマッコウ鯨14頭が打ち上げられた。増えすぎた為、餌を追って海岸まで来たのではないかとの話も。大量のイワシやサンマ、イカなどを食糧とする鯨は、漁獲高にも深刻な影響を及ぼす

▼現在、世界の人口は約64億人、2025年には85億人、2050年には100億人に達すると予想されている。家畜を得るためには、広大な土地が必要となり、森林を焼き払い、環境を破壊し温暖化を進める結果となる。鯨は海が育む自然の恵みであり、貴重な海洋資源である。計画的に利用すべき時期に来ている。将来、人類を救うかも知れない。(新・MS)

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