コラム

2004/08/20

世界遺産で思うこと(新・KK)

2004.08.20 【世界遺産で思うこと】

▼世界遺産に紀伊山地(和歌山県)の霊場と参詣道が新しく登録され財産が増えた。すでに法隆寺地域の仏教建造物群、姫路城、白神山地、屋久島、古都京都の文化財、白川郷と五箇山の歴史的集落、広島平和記念碑、厳島神社、古都奈良の文化財、日光の社寺、琉球王国のグスクと関連遺産が登録されている

▼世界遺産は、1972年のユネスコ総会で採択された世界遺産条約に基づく。「世界のすべての人々が共有し未来の世代に引き継いでいくべき人類共通の宝物」として登録された自然環境や文化財。現在、611の文化遺産、154の自然遺産、両方の価値を併せ持つ23の複合遺産の計788件が登録

▼この登録に向けて「繭と生糸は日本一」や「日本で最初の富岡製糸」という上毛かるたをつくった群馬県では、その富岡製糸場をという動きが活発化している。富岡製糸場は、わが国最初の官営工場として、フランス人技師ポール・ブリューナらの手により、明治5年7月に完成、同年10月に操業を開始した

▼生糸による外貨獲得という国家的使命を担った同施設の建設は、わが国だけではなく、アジア全体の近代産業の幕開けを告げるできごとでもあった。近代的なのは建物だけではなかった。日曜日を休日とする8時間労働制、工場内の診療所の開設といった福利厚生など、働く環境としても当時は最先端であったと言われている

▼ところで平和憲法、非核3原則の固持を謳う日本国の存在自体も世界遺産として登録されてもよさそうな気がする。「ハード」ばかりではなく「ソフト」の登録も意味があると思うがいかがなものだろうか。(新・KK)

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