コラム

2004/08/21

安全対策にこそコストを(さ・YW)

2004.08.21 【安全対策にこそコストを】

▼連日眠い目をこすりながらアテネオリンピックのTV観戦。時節柄仕方がないとは言え、平和の祭典が平和を保つのにシドニーオリンピックの3、4倍で1000億円超と言われるテロ対策費が費やされている。当然108年前にはまったく考えられなかったことだ

▼ところで我々は安全、水、空気はただと思い込んではいなだろうか。実はご承知の通りこの3つはただではない。排気ガス対策の装置の購入、ミネラルウォーター等々。それだけならまだ良い。安全はお金をつぎ込んでも買うことは無理なことがしばしば

▼アテネオリンピックでは会場に入る時、銀紙で包まれたガムが機械に反応し立ち往生し入り口が混雑していると言う。つまり、最上級のテロ対策を実施しているらしい。こうなると気が気でなく観戦どころではない

▼安全は最もコストのかかることであり、最も身近であって欲しいものの1つであることは言うまでもない。事故が起こった後では遅いのだ。しかし、政策に目を向けると大体のことが後手後手ではないだろうか。例えば、新潟の水害では以前から堤防は決壊する可能性があると言われていた。この「選択と集中」を叫ばれている公共事業において集中投資していなかったようだ。大災害の後、激甚対策として採択され、防災事業が実施されるもよう

▼先日は福井でまたしても原発事故があった。国民は何も高望みはしている訳ではない。生活に密着した安全な社会資本を望むだけである。身近な安全へのコストこそ社会に不可欠なコストなのだ。多額な投資は要しない。事後処理の訓練も良かろうが、予防が先決である。(さ・YW)

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