コラム

2004/09/04

ヘルパンギーナ(松・JI)

2004.09.04 【ヘルパンギーナ】

▼先日「ヘルパンギーナ」に罹った。語感は格好良さそうだが、実は夏かぜである。しかも基本的には乳幼児が患うウイルス性感染症。この数日前に1歳の息子が発病しており、どうやらもらいうけてしまったようだ

▼ヘルパンギーナの症状は高熱、咽頭部の水泡・潰瘍など。筆者の場合は高熱による頭痛、筋肉痛、関節痛、眼球痛、のどの渇き、のどの痛みによる食欲不振などで、苦しみによる不眠の状態で計2日ほど伏せた。しかし感染で、痛みを言葉で訴えられない息子の辛さを体で知ることができた

▼他人の苦難は同じ立場にならなければ理解できないものだ。厚生労働省の発表によれば、昨年度の概算医療費は前年度比2・1%増の30兆8000億円で過去最高を更新したという。このうち約4割は高齢者医療費で前年度比4・7%増。これが全体の数字を押し上げている。高齢化による影響もあるらしい

▼加入者本人の負担が3割に引き上げられた健康保険組合や政府管掌健康保険等は2・6%減少とのこと。減少は良いが、これは一人あたりの病気の回数が減ったのか、それとも金銭的負担を考慮して受診しなかったのか。すぐ治ると高をくくっていたものが大病になることもある。治療は早めが肝心だが、政治がそれをさせにくい状況にしていないだろうか

▼今回の病気では、息子の看病で疲れた妻に追い討ちをかけるような形となってしまった。寝込みつつも心の中で感謝していると、隣から弾んだ声が聞こえる。「大人なのにヘルパンギーナ。普通かからないよね」妻は夫の病気をネタに、あちこちへ電話をしては話に花を咲かせているようだ。(松・JI)

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