コラム

2004/09/07

国の05年度予算概算要求(水・YH)

2004.09.07 【国の05年度予算概算要求】

▼気が付くと夜は虫達の求愛で騒々しく、昼、見渡せば田圃の稲が頭を垂れ金色に変わりつつある。例年より多い台風に挫けることなく豊かに実って欲しいと祈るばかりだ

▼この季節になると既に来年度予算等の話題で騒々しくなってくる。先般17年度予算概算要求の内容が公表された。国交省では事業費ベースで一般公共事業費は19兆4352億円余りで前年度比4%増。官庁営繕などを含めた公共投資関係費は19兆5594億円余り。これは前年度額から3%減とする基本枠組みを大きく上回っている

▼数年来の抜本削減とする政府方針から、生活基盤の脆弱さが露呈している我が国の現状。度重なる台風の来襲で被害は甚大だ。そうした背景もあって治水や急傾斜地対策費等も9%増の事業費ベースで859億円余りの積極要求だ。反面、道路整備費は4兆9500円余りでほぼ前年度並みに抑えている

▼地方で常に最も要望の多いのが生活環境整備。今回、下水道等は1兆6827億円余りで10%もの増額要求となっている。進まない整備背景から当然な政策として歓迎だ。確かに地方空港や高速道路等新しいネットワークの重要性は否めない。しかしまずは市民レベルで身の回りの環境整備が優先である

▼家を流されても、田畑が水没しても世論はまだ公共事業費はいらないという。抑えられてきた事業で我々の生活が危うくなっているのに。地方単独の公共事業費にあてられる地方交付税が職員給与等他の経費に使い回しされているという。言語道断な話だ。年末には予算案がまとまる。国交省は概算要求額を死守し基盤の推進に努めて欲しいものだ。(水・YH)

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