コラム

2004/09/29

財政再建争点の新潟知事選(新・KK)

2004.09.29 【財政再建争点の新潟知事選】

▼新潟県知事選挙が今月30日告示、10月17日投投票の日程で行われる。今回の選挙は平山征夫知事が6月に突然の四選不出馬宣言をした影響もあり、各陣営ともに十分な準備期間がないまま選挙戦に突入するが、史上最多の6人が立候補する見通しだ

▼争点はズバリ「財政再建」。新潟県はこのほど財政健全化計画案を公表し、今後3年間の収支不足額が平均約650億円となる。このまま何も手を打たなければ財政再建団体に転落する可能性があることを示唆。そのため、すべての大規模未着工施設の凍結・延伸を検討する方向で調整に入っている

▼新知事は正に「火中の栗」を拾う形となり、立候補予定者の中には公約で知事公舎売却や知事給与3割削減を謳う人もいるほど。国の補助金や交付税削減の問題もある中で如何に来年度予算を編成するのか、その手腕が問われる

▼来年度の予算編成のポイントは平成21年の新潟国体に必要な県立野球場と屋内総合プールの扱いだ。ともに来年度着工を予定する大規模事業であり、新知事は就任早々事業をどうするか決断しなければならない。安易にハコ物を控えるのではなく財政再建に向けてどの予算を削減するのか、明確な信念を持った決断が求められる

▼先日、新潟市で開催された全国知事会議では国庫補助金のあり方等を巡り白熱した議論が交わされた。驚いたのは47都道府県の全知事(代理)が自らの主張を展開し、真剣に論争したこと。共通するのは郷土愛があり、明確なビジョンとリーダーシップを持ち合わせている点だった。新知事は財政危機の救世主になり得るのか。もうすぐ候補者の選挙演説が始まる。(新・KK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら