コラム

2004/10/09

食欲の秋「柿の効用」(甲・EO)

2004.10.09 【食欲の秋「柿の効用」】

▼「柿が赤くなると医者が青くなる」。食欲の秋は、体調が回復する季節であり、医者にかかる人が少なくなるという古くからの言い伝えだ

▼カキノキ科カキ属の植物は、約190種、柿の品種は800〜1000種もある。原産地については、日本自生説と中国揚子江沿岸原産説(奈良時代を中心に渡来した)の2説があるが、甘柿は、わが国で独自改良された物。鎌倉時代以降の文献などにその名が登場する

▼果物の中では酸味のないのが最大特徴である柿には、コラーゲンの生成に不可欠で強い抗酸化力があるビタミンCが、実はみかんの2倍も含まれており、活性酸素を取り除いてくれる。また、温州ミカンに多く含まれているベータクリプトキサンチンも同様に含まれる。これは、柿の色素であるカロテノイドで、カロテンの5倍もの抗がん作用があり、ビタミンCとの相乗効果により、がん予防にも効果を発揮する

▼柿には、柿の渋みのもとであるシブオールを主成分とするタンニンや、アルデドゲナーというアセトアルデヒトを分解する酵素が含まれているため、二日酔いに効くといわれる。干し柿にすると、この効用は無くなってしまうのだが、逆に抗酸化作用のあるカロテンは2倍に増えるそうだ。二日酔いの防止のほか、高血圧・脳卒中など成人病予防や、利尿作用、美肌保持にも効果的

▼山梨特産品の「枯露柿(ころがき)」は、武田信玄が乾柿を推奨した事に始まり、江戸時代には献上品となった。甘いものもでも渋いものでも、昔から体に良いといわれている柿だが、健康ブームの中、柿の葉も含めその効能が近年また見直されている。(甲・EO)

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