コラム

2004/10/16

天災、異常気象の今年(さ・AO)

2004.10.16 【天災、異常気象の今年】

▼「天災は、忘れた頃にやってくる」とは、東京帝国大学・理化学研究所で活躍した物理学者寺田寅彦博士の言葉だ。今年は、台風の上陸がことのほか多く、地震も頻繁、浅間山も噴火活動が活発化しているなど、天変地異かと思わせる

▼ここ数年、桜が早く咲くと、何故か空梅雨で早くから猛暑というか酷暑が続く。その為ビールやエアコンの売上が伸びた。ただオリンピックを見越して家電業界が取り組んだ薄型TVやプラズマTVの売上は、見込みを下回ったようだ

▼地震、噴火と聞くと思い浮かぶ本がある。小松左京著の「日本沈没」だ。当時の最先端の地球物理学理論までつぎ込んだ同作品の完成度は高く、映画やTVドラマ化もされた。その中で日本政府は、民族の存亡をかけ、世界に生活圏を確保すべく奔走する姿が描かれている。沈没まで行かなくても、地震はいつ発生するのか分からない恐ろしい

▼阪神淡路大震災の教訓を生かし、国をはじめ自治体は、学校をはじめ公共施設、橋梁などの耐震補強を進めるとともに、災害に強いまちづくりを進めている。惜しむらくは、景気の低迷から、公共事業費削減の煽りを受け、今もって全国、すべての自治体でのあらゆる施設の耐震化が完了したわけではない

▼何時起こるのか分からない天災に対しては、どこまでの対策が必要だろうか。台風、集中豪雨などで堤防が決壊した映像を見ることがあるが、想定外の事態が発生した場合は、如何ともしがたい。やはり、行政、地域、個々人も含めた、予防対策と臨機応変な対応が求められる。災害後になって言われる人災だけは絶対に避けたいものである。(さ・AO)

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