コラム

2004/10/22

時には泣くことも(水・KK)

2004.10.22 【時には泣くことも】

▼なんとも痛ましく、悲しいニュースだった。12日朝、埼玉県皆野町と神奈川県横須賀市で若い男女計7人が車の中で死亡しているのが発見された。彼らはインターネットの自殺系サイトで知り合い集団自殺したものと見られている

▼昨年2003年の自殺者は3万4427人で過去最多。1日に約100人、15分に1人が自殺していることになる。中高年の男性が大半を占めるが、30代の自殺が初めて4000人を超えるなど若年化も進んでいる。人口比から見ると日本はアメリカの2倍というから大変な問題だ

▼自殺の理由は人さまざまだろうが、データによると無職者、被雇用者が他を圧倒している。やはり不況が最大の要因なのだろうか。意外にも自営業者の割合は低く、主婦と同程度だ。経営者は一般的にストレス解消が上手なのだろうか。逆にサラリーマンは仕事が終り帰宅してからも部長であり課長である自分の立場から解放されずがんじがらめになっているのだろうか

▼ドラマセラピストの尾上明代さんは、時には思い切り泣くことも大切だという。古来から日本人、特に男は涙を不名誉に思うふしがある。しかし泣くのは本人にとって良いこと、鬱積していた感情が解き放たれ、存分に泣くことが健康に良く、その後の問題解決を早めると『涙の百科全書・八坂書房刊』の著者トム・ルッツ氏は指摘する

▼最近、反抗期と無縁の子供が多いとも聞く。確かに親は何事もなく成長してくれればそれにこしたことはないが。自殺した彼らは素直な良い若者だったのかもしれない。せめて家族や友人の前では喜怒哀楽をストレートに表現して欲しかった。(水・KK)

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