コラム

2004/10/27

今年のプロ野球を振り返る(前・HI)

2004.10.27 【今年のプロ野球を振り返る】

▼今年のプロ野球は、中日ドラゴンズが50年ぶりに日本シリーズを制覇して幕を閉じた。落合博満監督は監督就任1年目にしてペナントと日本一をダブルで制した

▼今年のプロ野球界のビッグニュースといえば、やはりプロ野球史上初となった選手によるストライキを挙げる人も多いだろう。あの時、今年のペナントはどうなってしまうのだろうと。プロ野球ファンのみならず、国民全体がその動向に注目した。選手会がストに突入した勇気。経営者側は世論(ファン)に押されるような形で、頑なに拒んでいた新規参入の来年度参加に道を開いた

▼協議は、最終的に選手会側が勝利した形となったが、これはにファンの大きな後ろ盾があった。古田会長は、常にファンの存在を意識した交渉を展開。経営者側が、ファンの動向を見誤る結果となった。本来選手とは、一試合一試合にベストを尽くすことを、経営者は、先を見通した経営戦略を立てることを仕事にしていることを考えれば、この結果は皮肉ともとれる

▼ただ、プロ野球選手は、平均的な一般市民と比較すると、大変な高給取りである。「労働者」のものと思われていたストライキは馴染まない感はあったし、日本シリーズの第一戦では、判定を巡る抗議により49分の長時間に及ぶ試合の中断は、ファンや視聴者に配慮を欠いた余りにも長い中断となった

▼落合監督の采配は「おれ流」と呼ばれ、大型補強は行わず、チームに在籍する個々の選手のレベルアップを図った。「おれの舵取りさえ間違えなければ優勝する」と言い切るほど、選手を信頼した。その点で落合采配は、多くの人から共感を得た。(前・HI)

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