コラム

2004/11/03

働かざるもの増加中(松・JI)

2004.11.03 【働かざるもの増加中】

▼ニートの増加が問題視されている。ニート(NEET)とは「Notin Employment,Education or Training」の頭文字で、就業、就学、職業訓練のいずれもしていない人。働く意欲のない若者を指す。今年の労働経済白書では2003年のニート人口を52万人と推計。第一生命経済研究所は2010年には100万人規模になると試算している

▼『ニート(フリーターでもなく失業者でもなく)』(玄田有史・曲沼美恵著、幻冬舎)では、ニートの生まれる要因として厳しい就職環境、個性化・自由化の教育、家庭・地域の交流不足などを挙げている。こうした要因の混在で生きづらさを感じてしまうようだ。また「誰もがニートになる可能性がある」とも提示している

▼先日の日本経済新聞に、大和総研がニートと株式相場との関連性を分析したとの記事があった。これによると1990年以降、完全失業者数増減との比較でニートの増加が目立つと、1年程度遅れて株式相場が下落する傾向があるらしい。日本経済の悪化はまだ続くのだろうか

▼先の『ニート〜』によれば、彼らは「働かないのではなく働けない」、「なぜか働くために動くことができない」ということらしい。その多くは親の収入で暮らしている。すなわちスネかじりである

▼『働くということ』(日本経済新聞社編)の中で、親の経済をあてにして自立の機会を失った若者について大学助教授が語っている。「社会が解決を先送りにしていた問題のツケがいつかまわってくる。若者が不良債権化している」債権を処理するのは、もちろん社会である。(松・JI)

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