コラム

2004/11/12

純愛こそが理想の恋愛像?(水・KK)

2004.11.12 【純愛こそが理想の恋愛像?】

▼純愛ブームである。話題の韓国テレビドラマ『冬のソナタ』の公式サウンドトラック盤の売上枚数が83・5万枚を記録し、96年の『ロングバケーション』を抜き歴代1位となった。また、メガヒットとなった『世界の中心で、愛をさけぶ』(片山恭一著)の影響もあってか本を読む中高生の割合が15〜16ポイント増えたという

▼恋や愛という言葉は巷に過剰なほどあふれている。女性雑誌などは恋愛にまつわる特集記事をしばしば組んでいるし、恋愛を主題にした小説やテレビドラマ、漫画は不断に描かれている。映画や音楽も愛というテーマ抜きでは成り立ちにくいだろう

▼神代の昔から恋愛は大きな関心事だった。『古事記』にはイザナギ、イザナミの二柱の神が和合して国土を創ったとある。『万葉集』はさまざまな恋の歌で彩られている。『源氏物語』を恋の文学の最高峰と評する識者は数限りない。時代が下がって明治になり、夏目漱石、森鴎外をはじめとする文豪たちが理想の恋、夫婦愛、恋愛へのあくなき憧れなどを描いた作品を次々に世に送り出し、それらは現代の我々庶民の恋愛観のルーツになっているともいえるだろう

▼厚生労働省の調査によると中絶手術の経験者は19歳で50人に1人、18歳では64人に1人とここ10年で急増している。援助交際、離婚率の増加、不倫と称される結婚外恋愛も珍しくなくなり、明治に登場した理想の恋愛像も曲がり角にあるようだ

▼若い世代を中心に半ばファッション化した性の氾濫の世相の中での純愛ブーム。そこに性が伴うか否かは別にして、やはり理想は純愛であろう。愛は性を超越したものでありたいが。(水・KK)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら