コラム

2004/11/18

活字媒体は意見、主張も(さ・YW)

2004.11.18 【活字媒体は意見、主張も】

▼日本新聞協会主催の第57回新聞大会が富山県富山市で開かれた。「新聞力の再構築」をテーマにした今大会で、新聞という活字媒体の価値や今後の求められ方などについて話し合われた

▼それによると、「若者の活字離れを信じてはいけない」、「解説・分析記事に力を入れる」などがディスカッションの中で強調された。つまり、インターネットで情報がタイムリーに流され、活字は速報性でネットに勝てない分、解説や背景説明、新聞社なりの考えを示し差別化を図ることがより重要であるというのだ

▼新聞社は公平・平等が報道の基本であるとよく言われるが、必ずしもそうとはいえないのではないか。例えばアメリカのニューヨークタイムスやワシントンポスト紙は支持政党を鮮明に打ち出した報道に徹している。同様に日本、いや埼玉県においても昨年、当時全盛を誇った有名な埼玉県知事の記事を、わが国ナンバー1の影響力をもつであろう某新聞社が20回以上にわたり連載した。知事周辺は「記事によって辞職にまで追い込まれた」と伝説になっているほどである

▼一方また、面白いアンケートもある。「新聞は今後も読むか」で、90%近い人が「読む」と応えている。理由は「週刊誌記事や嘘報を一方的に垂れ流すこともあるインターネットよりは、信頼性が高い」からだそうだ

▼そう考えると、専門紙も信頼性が高く、読者に好かれるためには、変遷する契約入札制度などについて、独自の視点を持って解説し問題提起していかなくてはいけないと改めて感じる。激動する時代だからこそ、なおさら新聞社の姿勢や考えが問われるのではなかろうか。(さ・YW)

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