コラム

2004/11/26

働く人のスローライフ(水・KK)

2004.11.26 【働く人のスローライフ】

▼早いもので11月も残りわずか。職業によって違いはあるが、カレンダーを見ると一般的サラリーマンにとっては今年の稼働日はあと22日。売上確保、目標達成を目指して忙しい日々が続く

▼「忙しいですか?」ー子どもの頃は天候や季節感があいさつ代わりだったような気がするが、いつからか忙しく動きまわることこそがすべてのような世の中になってしまった。スピードアップする現代生活で、季節の移り変わりや花鳥風月を楽しむゆとりすら忘れてしまった気がする

▼現代職業研究所所長の本多信一氏は30年間で2万数千人のさまざまな職業の人たちの相談にのり指導してきた。日頃「忙しい、忙しい」とあわただしくしているタイプよりも、淡々と仕事をこなす人のほうが業績も上がるし、昇進も早いという。前者が売らんかなの一念で強引な売り込みに走りがちなのに対し、コツコツと働く人は顧客に対する気配りやフォローが行き届き、歩みは遅く見えても、結果的に大きな成果を得る

▼ゆったりと生きるという発想の「スローライフ」がブームだ。スローというと怠けているようなイメージだが、それは20世紀が歴史上、科学技術をはじめとして短期間で最も発達した100年だったからそう感じるのかも。特に高度経済成長期から今日に至るまで生産性第一のファーストライフの時代が続いている

▼デフレの時代では量より質が求められる。時間をかけてゆっくりやることは丁寧な仕事をすることでもある。そこから少しずつ、より速く、丁寧ににレベルアップしたい。スローライフの概念は生き方や環境問題だけではなく仕事にも通じるのでは。(水・KK)

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