コラム

2004/12/02

父とのキノコ狩り(甲・TH)

2004.12.02 【父とのキノコ狩り】

▼今秋、富士山で「巨大松茸」が採れ、発見者が老人ホームにプレゼントしたと言う心温まるニュースを耳にした。その松茸は、長さ30センチ、重さ350グラムもある巨大なもので、関係者も「ここまで大きいものは見たことがなく、大変驚いた」と

▼そのニュース聞いて、子供の頃、父と山へキノコ狩りに出掛けたことをふと思い出した。魚釣りでは、川や海に行くのと同じように、キノコ採りでは当然だが山の中に行くのが基本だ

▼キノコの多くは、文字通り「木の子」であり、樹木や植物のない場所にはあまり生えない。採集した野生のキノコの中には、「食用」や「毒」のものが混ざっており、一見、食用と思われる無難な姿のものが毒だったり、いかにも食用向きでないものが食べれるものだから見分けが難しい。経験者は皆そうだと思うが、見慣れない野生キノコに対する警戒心は強く、採取したキノコは口に入れた一瞬、不安になる

▼人間に有害なキノコの毒は、固有の毒成分だけではなく、キノコが選択的に吸収する重金属、培養基に添加する栄養剤中の毒物、栽培中に使われる殺菌剤や害虫防除用殺虫剤の残留毒(特に輸入キノコ)など様々なものもある。とりもなおさず判別が困難だと言うことだ

▼ヨーロッパ周辺では、野生キノコが放射能まで取り込んでいる。これは、チェルノブイリ事故から飛散した放射能がもう何年もたつのに世界中の菌根菌キノコと宿主樹木との間を循環しているからだ。中毒のニュースが多い。我が家の食卓にキノコが出てくるたびに「このキノコは本当に食べても平気なものなのか」と不安になってしまう。(甲・TH)

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