コラム

2004/12/10

酒とセルフコントロール(水・KK)

2004.12.10 【酒とセルフコントロール】

▼今年も残り少なくなり、慌ただしい日が続く。そして好景気であれば忘年会等で巷は賑わう時期だ。しかし閑古鳥のさえずりの方が賑やかな昨今の巷のようだ

▼人間社会の楽しみのなかで「酒」は特別のものだ。古来から、酒は人を心地よく酔わせたうえにその楽しさを詩(うた)に詠むことで二重に楽しんだ。古代ギリシャや中国には酒のすばらしさを讃える詩は数限りない。身近なところでは日本の演歌などは人生の悲哀、男女の愛などに加えて酒も欠かせないテーマになっている

▼酔いは人を快活にし、楽しませ、社交的にするが、日本人の半分は体質的にアルコールに合わないと言う。それでも多少は訓練すれば飲めるようになるが、10〜15%はどうしても酒を受けつけないそうだ。酒好きが飲酒を強制することを、自分の幸福感を他人に分け与えたいという善意からだとよく言うが、飲めない人はアセトアルデヒド分解酵素を持たず気分が悪くなったり、吐いたりてしまう

▼最近の若い世代はあまり酒を飲まなくなったようだ。ある程度の年配者も以前に比べればアルコールとのつきあい方が変わった。酒場で酔っぱらいを見かけることも少ない。飲酒の強要や後輩、若年者に説教じみた話をすることも少なく、各々適量を守って歓談する楽しい酒になったように思う

▼現代の日本人は酒に対するセルフコントロールができるようになったということだろう。中国やインド、イスラム社会など古くから文明のあった国々、欧米など先進国では酒のセルフコントロールは既定のことらしい。そういった意味では日本における昨今の飲酒状況は当然のことなのかも。(水・KK)

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