コラム

2004/12/11

緑の癒しを重視(さ・YW)

2004.12.11 【緑の癒しを重視】

▼好きな色は人によって異なるだろうが、個人的には薄い緑が好きだ。色を中心とする心理学者は「緑は、若さ、勢い、誠実、行動力を示す」そうだ。確かに10年ほど前にいきなり国政選挙に出て、日本の選挙史に残る当選者を出し首班指名まで勝ち取った政党もそれにちなんだ政党カラーを採用した

▼緑はどのような効果があるかと言うと、「落ち着き」「心の癒し」をもたらす。先日東京農業大学の進士学長が講演で、アベックは公園のどこに座るのかといった調査をしたそうだ。結果は、背後に緑、少し盛り上がった緑、雑木林があり、前方が広がっている場所に座るそうだ。背後が緑だと心が落ち着き、安心感に満ちる理由らしい

▼実は今こそその緑を守り、公園整備を充実させる時ではないか。なぜなら特に時間とノルマに追われ、激変している社会は砂漠だからだ。つまり、水も緑もない、オアシスなどない砂漠をさ迷い歩く現代人にこそ身近な緑=オアシスは必要なのである

▼今年4月に埼玉県庁の部課所長が一同にそろい知事の訓示があった。その前座で総務部長は課長級の方もうつ病がいると発言。「ここの皆さんは部下によく目を配るよう」とわざわざ指示している。それこそ後ろで聞いていた筆者はサプライズだった。岩崎宏美の名曲「聖母たちのララバイ」の歌詞を思い出した。「この町は戦場だから、男はみんな傷を負った戦士」のくだり。つまり、いつの時代も社会の中で精神的に闘っているのだ

▼従って、よく財政課は歩道、堤防補強に比べ緊急性の低い事業が公園と言う。安全面だけではなく社会、人間生活の安全をもたらす公園・緑は今こそ必要なのだ。(さ・YW)

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