コラム

2004/12/15

再興への道のりはこれから(新・YA)

2004.12.15 【再興への道のりはこれから】

▼新潟県中越大震災の発生から1か月余り。内閣府の資料によるが対象地域の査定見込額は公共土木施設等関係1770億4000万円、農地・農業用施設及び林道関係が375億7000万円。被害見込額は農林水産業共同利用施設関係が5億円、開拓者等施設(水産動植物の養殖施設)関係が44億3000万円、中小企業関係が280億9000万円以上(11月19日現在)となっている

▼復旧に向けた準備は着実に進んでいる。仮設住宅等への入居も始まった。そしてそれに伴い、テレビや新聞紙面上から地震に関する話題が確実に減少しているのを感じる。再興への本格的道のりは、まだまだこれからだというのに

▼今年7月、新潟県内では梅雨前線による豪雨水害が発生した。犠牲者は15人、住宅被害は全壊22棟、半壊156棟、一部破損85棟、床上浸水4013棟、床下浸水2万2532棟等々。しかし最近ではニュースで取り上げられることも少ない

▼11月24日、その水害で住宅が半壊し、8月中旬から仮設住宅での生活を余儀なくされていた1人暮らしの男性(74歳)が、三条市の仮設住宅内で亡くなっているのが発見された。いわゆる「孤独死」で、浴槽内で水につかったまま死亡しているのを訪問したヘルパーが見つけたという。死因は急性心筋梗塞と見られている

▼現地は降雪期を迎え、天候は厳しさを増している。寒い冬を越え、春には施設が復旧していたとしても、それで被災者達の生活が元に戻るわけではない。過熱していた報道合戦が一段落した今だからこそ、被災地の今後、そしてこれからの地域づくりを我々ももう一度考える必要があるのではないか。(新・YA)

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