コラム

2004/12/17

様々な形の優先順位(さ・YW)

2004.12.17 【様々な形の優先順位】

▼優先順位とは最近公共事業、予算編成などに多く使用される。これらの場合は物事を分配する時の条件に用いられることが多いようだ。先日、筆者は優先順位について体験した

▼ドイツにサッカー観戦に行く際、障害者であることを告げ、足の伸ばせる前の席を希望し、優先的に搭乗できた。帰国便も「ハンディキャップマン」であり、介護者も同伴していないことを説明しビジネスクラスの方よりも先に、しかもやはり前の席を用意していただいた。弱者への配慮のための優先ということは有り難いことだ。万国共通認識なのだと思った

▼当日ドイツからタイへの便で、タイの僧侶であろう方が、「僧侶はタイでは最初に飛行機に乗り込める」と主張し、エコノミークラスでありながら最初に搭乗させるよう交渉していたのだ。結局タイ航空ではなくルフトハンザであったために拒否されていた。なるほど国によってはさまざまな権利があり、優先順位というものがあるのだと感じた

▼さて公共事業において使われる「優先順位」は付属語として「地域に密着し、安全・安心で緊急的なことを優先する」等々似たようなフレーズが続く。精神論は理解できるが、抽象的過ぎると常々感じている。今年の度重なる台風上陸、新潟中越地震などの自然災害の多さには精神論だけでは追いつかないことが改めて思い知らされた

▼こういった際、当然の成り行きだがライフラインの確保、インフラの構築が最優先なのは周知の事実だ。今こそ冷静に何を優先順位のトップに位置づけ、そのために「何をやる」か考えなくてはいけない。具体策は明白なのだが、まだまだ懲りない。(さ・YW)

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