コラム

2004/12/18

選手のマナーとモラル(さ・YK)

2004.12.18 【選手のマナーとモラル】

▼NBA(全米プロバスケットボール協会)は、11月19日に行われたピストンズ対ペイサーズ戦で、乱闘騒ぎを起こした9選手に対して厳重処分を科した。中でもロン・アーテスト選手は、今期残り73試合(全82試合)すべてが出場停止となった

▼「米スポーツ至上最悪の騒動」と批判される事件のいきさつはこうだ。アーテスト選手の反則に怒った相手チームのウォーレス選手が、首を絞めたのをきっかけに、両チームが乱闘。興奮したファンが投げたコップがアーテスト選手に当たると、その観客に殴りかかった

▼NBAではここ数年、選手のマナー低下が問題になっていた。以前は大学を出て、ある程度の年齢になってから、プロ選手になる者がほとんどだった。しかし青田刈りにより、最近は高卒ですぐにリーグ入り、社会人としての人間形成にまでは至っていない者が増えた。NBAでは新人研修なども行ってきたが、歯止めは利かなかったようだ

▼日本でも11月23日のJリーグ鹿島対浦和戦で、サポーター席にビール缶を投げ返した鹿島の本田選手に対してクラブは、次節横浜戦への出場停止処分を科した。また日本高野連は先日、会長名義で各都道府県高野連に、まゆ毛にそり込みを入れたり、髪を茶色に染めたりすることを禁止。校則違反に対する指導を徹底する様、異例の通達を出した

▼大学生サッカー部員15人が、集団わいせつ行為をして逮捕されたというニュースが流れた。表面的な外見を正すだけの通達よりも、まず内面から育成・指導する場を設けることから、始めるべきではないか。スポーツの本質が逸脱してきた感がする今日だ。(さ・YK)

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