「災」の一字に象徴する年（水・ＹＨ）

2004.12.28　【「災」の一字に象徴する年】

▼「災」「韓」「震」「金」「新」「風」「嵐」「乱」「揺」「命」以上がベストテン。２００４年の世相をあらわす「今年の漢字」一字として選ばれたもの。それぞれの思いが伝わる

▼ご存じのように日本漢字能力検定協会が「漢字に対する関心を深めて日本語の漢字が持つ奥深い意味を学ぶ機会を創出し、同時に日本文化への認識を深める」目的で１９９５年から始めた。過去の主な１位をみると１９９５年「震」（阪神・淡路大震災の年）、１９９７年「倒」（山一証券など大型倒産が続出）

▼さらに１９９９年「末」（世紀末、東海村臨界事故）、２０００年「金」（シドニーオリンピック）、２００１年「戦」（アメリカ同時多発テロ）、昨年２００３年は「虎」（阪神タイガース18年振りリーグ優勝）。今年の「災」は総応募数９万１６３０通のうち22・84％２万９３６票を集め、２位の「韓」６２４３票を大きく上回った

▼この「災」に対する思いは様々だ。当然、相次ぐ台風、新潟中越地震、猛暑、イラク人質殺害、親や子の殺害等々切りがない。世相が全体的に暗いから一字に託す思いも暗くなる。天災に対する人間の無力を痛感したとする声も多かった。そして来年こそは「災い転じて福となす」と念じる気持ちも込められている

▼ところで、暗い漢字ばかりではなく「笑」８７３票、「愛」８０３票、「楽」６９９票等の明るいイメージも上位にランクインしている。世相は不況とする中で暗いとしながらも「なんとか頑張っている」のが現実。どうせ結果が見えるなら「ケセラセラ、なるようになるさ」と明るく前向きな方が得だと思うが。（水・ＹＨ）