2005/01/12
「帰ろう、やまこしへ」(新・KK)
2005.01.12 【帰ろう、やまこしへ】
▼新潟中越震災で甚大な被害を受けた山古志村では、年が明けた今でも全村民が避難を続けている。幸い昨年中に仮設住宅への入居が完了し、家族単位での生活に戻ることが出来たが、自宅に帰れる目途は全く立っていない
▼山古志村は日本の原風景といえる美しい棚田や錦鯉発祥の地として有名だ。また、千年の歴史を持つ闘牛は一昨年、NHK朝の連続テレビ「こころ」の舞台にもなったため、御存知の方も多いだろう
▼村の復興は急務だが、日本有数の豪雪地帯であり、かつ急傾斜地による地すべりの危険が高いことから復旧、復興は困難である。しかし、長島忠美・村長をはじめとする村民は「帰ろう、やまこしへ」を合言葉に復興への決意を固めている。村民の91%が、千五百年の歴史を持つ、かけがえのないふるさとでもう一度暮らすことを望んでいる
▼村の復興ビジョン研究会で長島村長は、震災翌日に全村民避難を決め、自らが一番最後に自衛隊のヘリコプターに乗り込んだその時に「私はふるさとを捨てるんじゃない。必ずこの地に村民と戻ってくる」決意をしたという。「子ども達が村に帰り、必ず村を発展させてくれると信じている」とも言った。一旦避難した後、改めて子ども達をヘリコプターに乗せ、敢えて崩壊した村の惨状を上空から見せた
▼山古志村は今年4月に長岡市へ編入合併することが決まっている。長岡市といえば「米百俵」の精神が根付く地域。戊辰戦争で焼け野原となった時、見舞として貰った百俵の米を売って国漢学校を建て、人材育成を図った。次代を担う子ども達のためにも一日も早い復興が必要である。(新・KK)。