コラム

2005/01/22

税配分に智恵を(さ・YW)

2005.01.22 【税配分に智恵を】

▼税金の徴収および再分配は為政者にとって最大のテーマの1つであった。はるか古代からのテーマであり、現在もそのやりくりが引き継がれている

▼連日各紙面には、国および市町村等の17年度予算編成そのものの厳しさ、貯蓄の底をついた話題が並ぶ。その自治体に住む住民はどう思うのだろうかふと考えてしまう。恐らく、給与のカット、余分な手当ての等の廃止などを積極的にすべきだろうと考える

▼予算編成が厳しければ厳しいほど、市民ニーズの高い事業は何かを把握し、編成しなくてはならない。そんな中、神奈川県小田原市は17年度予算において、市民税の1%に相当する金額である約1億円の使い道を市民3000人の投票を基に配分することを決めた。道路整備、教育、福祉、商工業振興、介護保険サービスなど7分野を設定し投票総数の多い3分野に予算を充てるという

▼納税意識の向上、事業の成果および説明責任を果たすことを目的に実施するもので、予算編成への影響が大きすぎない程度の金額が1億円だったと市長は説明。この試みは市民の予算への直接参加という側面がある。かつ納税はしてみたが、どのように何に使途されたかは分からず不満を持つ市民にとっては、多少なりとも自らの清き一票が市政に反映される可能性が高くなるとますます行政への参画、市への愛着が沸くだろう

▼もう間もなく毎年恒例の当初予算発表の時期がやってくる。予算が不足している時代だからこそ金をかけるのではなく、頭と意欲を向上させる必要がある。そのことに気付いている首長は何人いるのだろうか。早急に認識してほしいものだ。(さ・YW)

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