コラム

2005/01/25

予防こそ防災の原則(水・YH)

2005.01.25 【予防こそ防災の原則】

▼「地震、雷、火事、親父」。日本では古くから怖いものの代名詞として地震に対する危機意識が植え付けられている。昨年12月26日午前10時ごろ発生したスマトラ沖大地震による津波は想像を絶する悲惨な経緯をたどっている

▼死者は22万人を越えた。地方の主要都市が一瞬にしてすっぽりと消滅したイメージだ。子供たちは一次波で打ち上げられた魚を取りに浜へ出た。そこまでは自然の恩恵だったが、二次波で被災。TVで放映される津波の余りにも強大な威力。なすすべもなく弱者から被災していく

▼「ツナミ」は国際用語になるなど、日本では日常茶飯事だ。最古の記録では日本書紀に684年天武天皇時代に残されている。1896年三陸海岸の津波は1684人が死亡、その他多くの記録が残されている。因みに日本で過去最大の津波は1875年石垣島で85?、世界では1958年アラスカのリツヤ湾の520?とされている。ビル100階の高さに相当

▼日本三大桜の一つ福島県三春町の滝桜の枝が雪の重みで太さ10〜20?の枝10本が折れてしまった。昨年は34万人近くが訪れ楽しんだ。残念なのは樹齢1000年を越える銘木が予想される積雪で容姿の変化を余儀なくされたことだ。雪害は予防出来たはず。たかが桜の枝、些細な害と侮った。認識の甘さが垣間見えてならない

▼阪神淡路大震災から10年。被災した1995年日本政府の防災関係予算は災害復旧費を大幅に増額し約7兆円だが、その前年は4兆円、1996年には4兆円を上回る程度に。対策ではなく予防こそ防災の原則だ。島国日本では自然災害に対する認識は高いはずだが。(水・YH)

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