コラム

2005/02/10

娘の書初めと松下翁の色紙(長・YK)

2005.02.10 【娘の書初めと松下翁の色紙】

▼今年も娘達の学校で書初めがあった。中学二年と六年生の娘はもう既に筆者より上手なので、数年前からこの時期だけ、書道教室を開いている叔父に膝詰めの指導を頼んでいる。そして低学年の書き初めは硬筆だ

▼小学1年生の末娘は、筆者に似て硬筆がまったく駄目。ゆっくり書けばそこそこの字を書けるのだが、ノートの字は『それぞれの字があっち向いてホイ』で、年末から姉たちの書き初め練習の傍らで、筆者と一緒に練習を重ね、そこそこまで書けるようになった

▼『清書は消しゴムを使ったり、字を上からなぞったりしたら駄目だんだよ』としつこく言っておいたにも拘わらず、目を放した隙に消しゴムを使って書き直してしまった。結局学校で清書をし直すことに。「人の言うことを聞かないのは誰に似たのか」とつい口をついて出た言葉に敏感に反応したのは、無論妻である

▼先日、授業参観が行われた。全教室の廊下に書初め作品が貼り出されていたのだが、あの努力は一体何だったのだろうと考え込んでしまうほど、見るも無惨な字が貼り出されていた。残念だがやはり硬筆が駄目なのは、父親の血を色濃く受け継いでしまったのだろうと納得するよりほかに道はなかった

▼筆者の実家は戦後間もない頃から、松下系列の電気店を営んでいた。実家の壁には松下幸之助翁直筆の色紙が何枚か残っている。特別上手というわけではないのだが、捨てられずに残っている。そのうちの1枚は『共存共栄』、もう一枚は『商道』と書かれている。建設業界にとっても縁の薄くなりつつある言葉だが、大切な意味合いを持つ言葉には間違いないだろう。(長・YK)

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