コラム

2005/02/15

正直さ見える日本人の美徳(水・YH)

2005.02.15 【正直さ見える日本人の美徳】

▼確かに先進国の中では犯罪率がイギリス9・76%、アメリカ8・51%、フランス6・40%に較べると日本は1・92%と断然低い。しかし昨今の犯罪は残虐性を有し、憂慮すべき状態だ

▼しかし、一面で日本人の美徳の一つである「正直さ」が垣間見えるデータがある。昨年一年間で東京都内で「落とし物をした」と届け出たのは約60万件。「拾って」届けたのは195万7153件。「落とした」とする件数は10年前より概ね5万件増程度にとどまっているものの、拾った件数は66万件もの増加と著しい。これは「正直」という意味では類い希な美徳だ

▼「意外」といっては拾って届け出た人に非礼だろうが昨今は「自分の者は自分の物。人の物も自分の物」とする風潮である。決して笑い話ではない。屋外の自動販売機設置率は世界有数。これは日本人の多いに誇れる数字とする人が多いが、これを根こそぎ泥棒する事件が多発

▼「現金が野放し状態」と見えるそうだ。世界に最たる都市・東京は違う。現金の拾い物は24億8200万円余。このうち約7割の18億円が持ち主に返されているのだ。拾った人へは約4億4000万円が渡されている。正直者は徳をするとする当然の結果だ。ただ「落とした」としたとする額は75億円を上回っているが

▼拾得物だが「傘類」が33万件でトップ。近年は安くなっている背景もある。次いで「衣類」が25万件、「財布」18万件で概ね20年前と同順。財布の紐は堅いが根こそぎ落としていると言った矛盾も。さすがに拾った額は前年より955万円減少している。美徳といっては多少大袈裟かも知れないが大切な心だ。(水・YH)

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