コラム

2005/02/19

少子高齢化時代の人材(前H・I)

2005.02.19 【少子高齢化時代の人材】

▼「決まったよ」「よかったじゃないか」「でも、行く気がしないんだ」「なぜだい?」「派遣で、1日1万2500円くれるっていうんだ」、「あーだめだめ。その仕事はきついぞ」、「そうだよな」、「じゃあ俺、パチンコに行ってくるから」、「ああ」。ハローワークに通う初老2人の会話だ

▼大規模なリストラを実施した建設業者が、年末に予想以上の工事を受注したため、現場監督が足りなくなった。リストラした元社員に声をかけるわけにもいかず、どうしたらよいものかと途方に暮れているという話も聞いた

▼近年の重要なテーマの一つに、少子高齢化社会の人材確保をあげる人も多い。今後、団塊世代の大量の退職と、少子化による働き手不足で、不況による人員過剰感から一転、人材不足に陥るというのだ。大手企業の中には、定年の延長や再雇用などの対策を打ち出すところも出てきた

▼建設業では、厚生労働省が建設労働者の派遣を可能とする新たな建設労働対策をまとめた。今国会で法案が可決されれば、今年10月にも施行、導入される。これにより、発注の偏りや時期的な仕事量に左右されず、必要最小限の技術職員の雇用で仕事量にも対応することができるという

▼人材を年齢層が比較的高い世代に求めた場合、求職者が重視しているのは「時間」か「金銭」か「仕事の内容」かを聞いて、柔軟な雇用形態にも対応する必要が今後出てくるのではないか。長く続いている不況による人材の「買い手市場」は、まもなく終わりを告げ、これからは、人材をきちんと活用していない会社は、確保している人材も失う危険さえある時代だ。(前H・I)

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