コラム

2005/03/01

「生きる力」ということ(水・YH)

2005.03.01 【「生きる力」ということ】

▼大阪・寝屋川市の17歳少年による教諭殺傷事件では、多くの問題が露呈した。犯罪の低年齢化はもちろんセキュリティさらに教育問題等。類似事件が頻発するなど真剣にかつ早急な対策が望まれる事態だ

▼基本的な人間形成は教育現場でなされるのが原則。そのため一定水準の教育が受けられるようカリキュラムが定められた。それが昭和33年制定の学習指導要領だ。10年毎に改訂され、近年では平成10年に。基礎・基本を確実に身に付けさせ、自ら学び自ら考える力などの「生きる力」の育成がテーマ

▼さて「生きる力」とは?。文科省の解説を抜粋する。「これからの変化の激しい社会においては、困難な場面に立ち向かい、未来を切り開いていく力が求められる。このため自ら学ぶ『確かな学力』、他人を思いやる心や感動する心などの『豊かな人間性』たくましく生きるための『健康や体力』などの『生きる力』である」と

▼平成14年には賛否両論物議を醸したが「ゆとり教育」なるものが完全実施。週休5日制、学校の裁量権拡大、知識の詰め込み・暗記より、学習意欲や学び方を重視などが主な内容。ところが学力の低下が露呈し大慌て。性急に見直すことに。お役人や先生はカリキュラムに添えば良いが子供たちは右往左往である

▼学力は「生きる力」には比例しない。「豊かな人間性」は学力には比例しない。机上で基本的な方針をこね回すことの弊害が昨今の事件の背景に見えてならない。「勉強が楽しくない」とする児童が1割近い。教育現場のお粗末さが17歳の少年の犯行でおおよそ垣間見える。学校ではもっと人間性を育む場が優先されてもいい。(水・YH)

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