コラム

2005/03/24

ユニットプライスとは(さ・UT)

2005.03.24 【ユニットプライスとは】

▼国土交通省では、今年度からユニットプライス型積算方式を試行している。ユニットプライス型とは単価表を使わず、過去の入札データを活用するもの。発注者と受注者の合意単価を「ユニット」と呼び、発注者はその金額をデータベース化。次回以降その単価を用いて積算する。つまり、「先人」が発注者との間で合意した単価が、入札の際に影響を持つことになる

▼これまで工事積算といえば、必要な材料費、労務費など単価表を用いて積み上げていくものだった。つまり、下請企業と材料供給者・労働者間の取引価格をベースとしている。これに対しユニットプライス型積算方式は、その上流段階、発注者と受注者間の取引価格を用いる。つまり、積算方式の構造が根本から違う

▼ユニットプライス型積算による効果としては、発注者が施工単価を直接調査することによる価格透明性、説明性の向上、積算業務の省力化などが挙げられている。国交省では当面の試行対象工事として、「道路改良」、「築堤・護岸」、「舗装」を選択。これらは同省工事件数の上位3工種で、契約件数の約半数を占めている

▼国交省の説明によるとユニットプライス型積算は「諸外国では一般的」だという。同省が今後、順次適用範囲を拡大していくのは、すでに規定路線。都道府県や市町村などの地方自治体へ、果たして今後どのような広がり方を見せるのか注目したい

▼すでに秋田県では舗装工事での試行開始を打ち出しており、17年度、3割で採用する予定。さらに、18年度6割、19年度9割という拡大見通しも公表した。近い将来、単価表を懐かしむ日が来るのかもしれない。(さ・UT)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら