コラム

2005/04/06

圏央道の2?開通(前H・I)

2005.04.06 【圏央道の2?開通】

▼3月21日、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)日の出IC〜あきる野IC間の2?が開通した。IC間の距離が2?と聞くと短いような気もするが、この区間を並行して走る国道411号を車で走ると、思いのほか時間を要する

▼南北に走る411号を東西に交差する幹線道路や生活道路が多く、また、JR五日市線も平面交差するなど、減速や一時停止の機会が多いからだ。南北方向の幹線道路が少ない多摩地域にとって、圏央道の全線開通を期待する声は高い

▼一方で、あきる野ICを巡っては、事業認定と代執行を認めた東京都収用委員会の取り消しを求めて、地権者との間で裁判が続くほか、圏央道自体が「必要のない道路」と、建設中止を求める声も一部ではある。施行者はこうした意見を聞きながら、自然との調和に配慮した道づくりを進めている

▼あきる野ICは、見晴らしの良い秋川の河岸段丘の縁に位置している。その場に立つと、多くの橋脚やランプ橋が視界に入るが、大型構造物特有の威圧感は不思議とあまり感じない。それは、橋脚をスレンダーな構造としたり八角形にすることで、柔らかなフォルムを形成し、見た人に優しいイメージを与えるからだ

▼圏央道は、高速道路の東京一極集中を是正する環状路の役割のほかにも、地域間ネットワークに重要な役割を持つ。世は平成の大合併で、市町村の広域化が進んでいる。この背景には、道路網整備により時間的距離が縮まったことも大きな要因となっている。圏央道は今後、中央道や東名道に接続する計画。地域間道路のさらなるネットワーク化に、今回開通した2?の意義は意外と大きい。(前H・I)

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