コラム

2005/04/15

茨城県の建設業活性化指針(水・TY)

2005.04.15 【茨城県の建設業活性化指針】

▼4月から「公共工事の品質確保に関する法律」(品確法)が施行された。これまでの価格だけの競争ではなく、品質を合わせた総合的な評価による公共調達を義務付けるもの。新たな制度運用が始まる中、茨城県では先に中小零細企業を支援する「建設業活性化指針」を策定した

▼従業員10人未満の企業が83・2%を占め、県内の大手でも完成工事高が100億円を超える企業が数社ある程度の茨城でも、競争の激化が招いた利益率の低下はやはり深刻な問題。企業の盛衰は本来自助努力よるが、過剰供給構造のもとでの市場淘汰のみにゆだねているのが現況である

▼指針では、受注型産業としての構造上の弱み、多くの人手がいることからくる仕事の繁閑、政治や人間関係の影響を受けやすく、市場が地縁になりがちな環境など、抱える問題を整理した上で、建設業に対する社会的評価の低下を考え、個別企業だけでは取り組みが不可能な業界全体のあり方について述べている

▼具体的には、建設業界に「魅力ある産業・職業へ高める」「適切な競争体質を構築する」「新しい建設業モデルを構築する」を求め、目指すべき方向性として?自社経営の一層の強化?連携・統合による経営強化?新たな収益源の確保−の3点を掲げた

▼人口の減少や税収の伸び悩みを思えば、市町村合併特例債を使った庁舎建設や合併支援道路の整備などは一時しのぎに過ぎないかも知れない。自助努力が原則だが、個別企業の取り組みには限界がある。建設業界全体を見渡した具体的な議論や施策を必要としている今、茨城県のようなすばやい対応が各方面に求められるのでは。(水・TY)

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