コラム

2005/04/23

復活よりも保全を(前・HM)

2005.04.23 【復活よりも保全を】

▼「愛・地球博」がいよいよオープンした。ゴールデンウィークか夏休みには時間を作って行ってみたいと思う。なかでも興味があるのは「冷凍マンモス」、永久凍土の中から約8000年ぶりに地上に姿を現した太古の巨大ほ乳類に心が惹かれる

▼そう言えば以前、現代にマンモスを復活させようという計画をテレビで見た。冷凍マンモスから取りだした精子とゾウの卵子を受精させ、マンモスとゾウのハーフを作る。これを何代も繰り返す事で、マンモスの血を濃くしていく。現在はクローン技術も発達してきているだけに、単なる夢物語ではないかもしれない

▼マンモスの復活。断片的に考えるとワクワクしてくるような話だが、こういった話題についてまわるのが倫理観。それは、生物の生き様、死に様までを人が操作出来る世界への恐怖感と言ってもいいのかもしれない

▼恐竜を現在に復活させる映画「ジュラシックパーク」の中で、登場人物の一人が「地球上での寿命を全うして淘汰された生物を生き返らせるのは危険だ」というような事を言っていた。確かにその通りである。しかし、そうすると「人間が滅ぼした生物ならいいのか」という見方も出てくる。それについては多くの疑問が残る

▼「一度滅んでしまったものは二度と戻ってこない」、その思いがあるからこそ、今、大きな危機感を持って環境が叫ばれているのだろう。今の自然を大切にしようと思えるのだろう。人間の無計画な環境破壊により、多くの種が絶滅の危機に瀕している。これら生物の声に耳を傾け、「復活」よりもむしろ「保全」を前提に真摯に見つめていきたいものである。(前・HM)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら