コラム

2005/04/26

25年後の日本をのぞく(水・YH)

2005.04.26 【25年後の日本をのぞく】

▼日本人の平均寿命が82歳になったとはいえ四半世紀25年後は遠い世界だ。このほど政府の諮問会議で2030年の日本の目指すべき姿を描いた「日本21世紀ビジョン」が報告された

▼日本が経済力を維持するため必要な改革課題をまとめたものだが興味深い。少子化になっても高齢者の労働力、技術革新などによって年2%の生産性向上等を図れば実質GDPの伸びは1%半ばを確保できるなど強調した。ただ、構造改革を怠ると当然な成り行きだが経済は停滞・縮小、希望を持てない人が増加し、社会が不安定になるなどとしている

▼お若い方なら25年後(2030年)を実体験できる可能性が高いので、このビジョンで示された数値目標は覚えておきたい。高齢期も生涯現役で自立・充実した生活を過ごせる社会、いわゆる「健康寿命」は80歳、借家1世帯当たりの平均床面積は100平方メートル、一人当たり平均消費額は約380万円

▼さらに生涯に自由に活動できる「可処分時間」も23年強などとしている。こうした数字に対する思いは、それぞれの置かれている環境や認識によって個々人まちまちだ。あくまで平均的な数字だと認識する必要はあるものの、ビジョンにある数字に「夢と希望」の含みは前提だ

▼昭和の末期当時、国を挙げて「建設産業ビジョン」を策定し大いに議論し、将来に夢と希望を描いたものだ。当然、社会状況は変化しているので方向転換に至るのはやむを得ない。しかし「忘れ去ってしまった」「一過性に終わった」のが現実。これは官民共通の反省事項だ。数字の実現には継続した国民の監視と自助努力は絶対欠かせない。(水・YH)

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