コラム

2005/05/07

危機管理と自己責任(さ・YW)

2005.05.07 【危機管理と自己責任】

▼最近地震が頻発し、改めて日頃の防災グッズなどの備えの重要性がクローズアップされている

▼内閣府は関東地方で地震が発生した場合、倒壊や被害総額または家に帰ることのできない人数などを把握している。「そんなものなのか」とことの重大性を認識しつつ心のどこかには「起こらない」とタカをくくっている人が大半だろう

▼ここで問題になるのは、他のエリアからの支援物資が届くには2、3日は最短でもかかると見込まれ、その2、3日間分は自己責任でという考えが出ている。もっともなことであり、もとより何でも「官」に頼ろうとする風潮は卒業しなくてはいけない

▼地震だけではない。洪水などの災害が多かった昨年においても再三クローズアップしたことがあった。それは国土交通省をはじめ河川管理者が日ごろスーパー堤防など何百年に1度の豪雨にも耐えうる堤防を造るとなると、「無駄だ」「天井知らず」などといった反対の声も同時に沸き起こる。自己責任はどの程度の範囲までを言うのか、どの程度まで自己責任で賄えるのか、どの損害になったら公でお願いするのか非常に曖昧で難しく、定義はないのだろう

▼そう考えると、公共事業とはすべて公で実施しなくてはならない民間ではできない範囲のものであって、公共の福祉に寄与する歓迎すべき事業であると言える。必ずしも公ではなく、民間に任せられるという流れもあり、その範囲がどこまでかという議論がさまざまな委員会で問題になる。先日も埼玉県の下水道を包括的民営化にする範囲はどこかという議論がされた。自己責任を真剣に考えなければならない時だ。(さ・YW)

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