コラム

2005/05/20

新聞の原点を振り返る(前・HM)

2005.05.20 【新聞の原点を振り返る】

▼先日、横浜にある「日本新聞博物館」を訪れた。正直なところあまり期待していなかったが、昔の紙面などが数多く展示され充実した内容だった。じっくり見ていたら、その後の予定を変更せざるを得ない羽目になってしまった

▼新聞の起源は、災害などの情報を知らせる「かわら版」。現存する最古のかわら版は1615年、大阪夏の陣を報じたものというから歴史は古い。日本で初めて発行された新聞はまだ江戸時代の1862年、世界のニュースを抄訳した「官板バタヒヤ新聞」。日刊紙の登場は1871年(明治5年)の「日刊横浜毎日新聞」、そして1872年には後の毎日新聞、東京日日新聞がスタート

▼この東京日日新聞、1号は木版印刷、2号から鉛活字、12号から再び木版印刷に戻っている。その間、5号と11号に「当社新聞活字未だ全くそろわず(中略)誤りも少なからず」という謝罪文を掲載している。文字通り「手探り」状態でのスタートだったのだろう。それから後、新聞は数々の弾圧や戦争にも体を張って耐え、現在まで綿々と続いている

▼子供の頃から、あまりにも当然のように身近にあった新聞、近すぎてその「重さ」を見逃していた。新聞博物館は、先人達の苦労の上に今の新聞が出来上がっている事を改めて気付かせてくれた。そして、そんな新聞の世界に自分がいるという事を少なからず誇らしく思った

▼どんな仕事でも先人の涙と汗の積み重ねがあり今に至っている。それは技術であったり、気持ちであったりする。その苦労の1つひとつを自分の糧にするのは後人の特権かも知れない。尊敬の念の込めて、ありがたく頂戴したい。(前・HM)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら