コラム

2005/06/30

景観への秩序を(さ・YW)

2005.06.30 【景観への秩序を】

▼6月1日に景観法が全面施行された。私達が住む身近な地域の景観についてどのような景観が良いのか、或いは理想なのかを改めて考え直す契機となるものだ

▼江戸時代から明治時代にかけて日本を訪れた外国人の見聞録や文献には、日本は町並みも整然とし美しく綺麗だとほぼ等しい同じ感想を持っていたようだ。しかし現代に生きる私共は、自らの地域で見かける景観に対して特色があるのか、美しく統一感があるなどといった好意的な気持ちにはなれないだろう

▼正確に言うと、好ましくない方で統一感はある。駅を下りると無秩序に建設された雑居ビルの看板が非常に多いと感じる。景観が優れている所と言うと、歴史的な町並みが保存がされ、それが観光の目玉になっているからこそだろう。しかしその過程ではやはり至る所で様々な論争があったと思われる。景観保存か開発および商業主義かといった論争にまで発展したことは想像に難くない

▼筆者が真っ先に思い出す所は、京都駅である。ハイカラな外観と多機能な内部、市内を展望できる屋上などもを備えている。わが国を代表する有名な建築家の設計だった。しかし10年ほど前は、古き良き時代の京都の町並みにはふさわしくないといった論争、議論があったことを思い出した

▼景観法が施行された今こそ景観に対して規制が厳しく、なおかつその景観と町並みが国民に最も愛されていると思われる京都を見て回ろうと思う。景観維持のためにどのような規制があるのかも聞いてみたい。街は住む人の思い入れ、感情移入が表現されるものだ。もう一度周囲の景観に敏感に気遣ってみたい。(さ・YW)

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