コラム

2005/06/03

無用の投資か有効活用か(さ・AO)

2005.06.03 【無用の投資か有効活用か】

▼先日、地元を担当する記者にこんな話を聴いた。「A村って、年間の出生数が30人にもならないんだって。村長が施政方針で話してたよ」。家でその話をすると「そんな程度でしょ、乳児検診にも、数えるぐらいしか来てないよ」と妻の言葉

▼わが村には、4つの小学校があったが、少子化の進行により、3校を1校に統合、2校体制となっている。統合小は、新しい校舎を木造で建設するなど、教育施設整備・改善に取り組んでいるのに、子どもがいない状況で整備したのかなとの疑問も湧いてくる

▼小学校の場合6学年あるのだから、全校児童100人程度くらいと推測はつく。通学などに要する費用なども考慮すれば、現状での施設整備は妥当と思う。しかし、数年後には空き教室だらけという状況も発生するのではないか。ただ、公共施設は国民の資産として、後々も活用が可能だ。学校施設なのだから、後々は手続きを踏んで、社会教育施設としての利活用・転用も視野に入れるべきであろう

▼とかく公共事業では、無駄な投資と言われるものが多い。果たして本当に無駄といわれる予算、事業は多いのか。バブル経済破綻後の公共事業の流れを見ると、国を含め全国の地方自治体は、各種計画や施設計画の見直しなどを行い、今では「どうしても必要な事業」であろうと、十分な予算が確保できない状況まで追い込まれている

▼公共事業費削減は、いつ底を突くのか。家の前の道に穴があいても、直せずに道路はガタガタ、車どころか歩行者の通行にも支障を来たすような状況になっては、誰だって困る。バランス感覚を持って、国民のための行政運営を望みたい。(さ・AO)

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