コラム

2005/06/18

イメージアップは現場から(前・NK)

2005.06.18 【イメージアップは現場から】

▼近くで土地改良工事があった。車の往来は少ないが、ウォーキング愛好者などが多く、通学路となっている地区だ。施工中は通行人も減ると思われたが、実はちょっとした人気スポットになった

▼学校帰りの小学生や親子連れ、お年寄りが見物にやってくる。通常、町中の現場は柵等で囲われて中の様子が見えにくいが、ここは見通しがいい。ダンプが豪快に土砂を降ろす姿に子供は「かっこいい!」と大興奮。バックホウが法面を切る緻密な動作には、大人でも思わず見入ってしまう。なにより現場作業員が実に好印象。きちんとしたあいさつ。工期は?、ここはどうなるの?、といった住民の素朴な質問にも、できる限り対応してくれる

▼衣・食・住の「食」分野は安全・安心へのニーズが高く、作る側も売る側もそれに応えようと必死だ。産地偽装事件等が発覚するほど、生産者の顔が見えるもの、信頼できるものを消費者は求める。生産者名はもちろん、写真付きで本当に「顔」がみえる商品も珍しくなくなった

▼「住」の部分を支えているのが建設産業。命と財産を守り、生活を豊かにする。ゆえに公共事業として税金が投じられるが、その施工者は冷遇されているという嘆きは多い。だが建設業は、納税者、顧客の立場である住民に「顔」を向けてきただろうか

▼地元説明をするのは発注官公庁の役目。しかし住民の目に映るのは、日々、身近で働く現場の人にほかならない。だからこそ、現場から理解や関心が生まれる機会はたくさんある。企業はもちろん、業界全体のイメージアップも可能ではないだろうか。まずは小さなことから始めてみたい。(前・NK)

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