コラム

2005/06/28

大切な教育、目的明確に(水・YH)

2005.06.28 【大切な教育、目的明確に】

▼故・草柳大蔵著『絶筆・日本人への遺言』(海竜社刊)の巻頭は草柳氏が闘病中病室で書いた「人づくりは国づくりである」とする教育論である。教育の大切さを切々と説いている

▼教育崩壊や学級崩壊等の言葉が乱立している。これを「親が悪い」「教育が悪い」「子供が悪い」と、お互いに責任の擦り合いをしているのは問題と世相を憂えている。そして「いかなる国家も善良なる家庭生活を有する間は崩潰せず」(ティジー・ホーランド言)を引用して、「この言葉が最後の選択になるような気がしてならない」と

▼先般、文部科学省の「義務教育に関する意識調査」結果が報告された。教員、保護者、子供、首長ら約1万8000人を対象に、ゆとり教育の是非等を問うたもの。詰め込み教育の反省から、自ら学び、考え解決する力を育てるため週5日制とし「総合的な学習の時間」を設けるなどした

▼結果、小学校関係者の6から8割が「肯定的」、中学校関係者は半数以上が「否定的」など立場や環境による大きなズレが明白となった。こうした結果、またまた侃々諤々(かんかんがくがく)と自らの立場のみを主張、いわゆる前出の責任の擦り合い現象が再燃。政策の本質が末端まで浸透せず、上滑り現象の典型だ

▼そうしたなか教職員の懲戒処分等の処分状況が明らかになった。1359人が処分対象に。とりわけ注目したいのは「わいせつ行為」の増加。教職員の現場が学歴偏重の象徴に見えてならない。一般社会の教育も含め今日感じられないのは「哲学」の希薄さである。政治や行政などにも共通した課題では。「何故、勉強するの?」と。(水・YH)

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