コラム

2005/07/06

加盟団体に求めるもの(前・HI)

2005.07.06 【加盟団体に求めるもの】

▼建設業関連団体の新年度総会を取材した。業界全体が不況の中、いずれの団体も厳しい運営を迫られている姿が見えた。その中でも大きな悩みの一つが会員減(組合員減)との戦いだ。複数の団体ではその対応策として、会費の大幅な減額に踏み切った

▼会員にとっては、日常の厳しい資金繰りの中、持ち出しが減るわけだから大歓迎の施策。会員に喜ばれた時は、協会としても「やってよかった」と思う一時。しかしこの施策は、抜本的な解決にはつながらないことが多い

▼総会で会長(理事長)は訴える。「厳しい時こそ団結を」「協会(組合)の活性化に皆様の御協力を」と。その言葉にヤジる人もいなければ拍手喝采もない。ある団体は、総会に出席する会員が目に見えて減少しており、脱会した元会員は「協会にいてもメリットはない」とあからさまに言う

▼群馬県建築士事務所協会は、この6月に新規事業を立ち上げた。木造住宅の耐震診断事業である。同協会には新潟県中越地震以降、「自宅の耐震診断をしてほしい」という依頼が目立って増えた。S造またはRC造の公共建築物における耐震診断では実績があるが、木造住宅の診断態勢は整っていなかった。「県民が協会を頼ってくれているのに、それに応えられないとは不甲斐ない」と、即実行した背景を語った

▼事業に参加できるのは会員限定で、決められた講習会を受講した資格者の登録制とした。その講習会には、多くの会員で賑わいを見せ、事務局が見込んでいた2倍にも達した。会長はあいさつで「会員皆様の仕事を多少でも増やせれば」と言った。会員の誰もがそのことを求めている。(前H・I)

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