コラム

2005/07/07

着信音を巡って(新・YA)

2005.07.07 【着信音を巡って】

▼携帯電話の着信音を巡る状況が、近年急速な変化を迎えつつある。これまでの着信音といえば、楽曲のメロディ音のみを奏でる、いわゆる「着メロ」が一般的。しかし、最近ではヒット曲のオリジナル音源をそのまま着信音として使用できる「着うた」が主流に

▼今年6月には、KDDI向けの楽曲ダウンロードサービス『着うたフル』の総ダウンロード数が1000万回を突破。「着うたフル」とは楽曲を1曲丸ごとダウンロードできるというもので、昨年11月よりサービスを開始、現在では36サイトで合計3万7000曲が提供されているという

▼これら配信サービスの発達・普及によって、人気アーティストがネット配信限定で新曲を発表する−というケースも増加している。今後もその勢いは衰えそうにない

▼一方で「着うた」を巡って大手レコード会社5社が独占禁止法違反に問われ、排除勧告に応じなかった4社に対する第1回審判が開かれている。通常、配信業者が「着うた」サービスを実施する場合には、楽曲の原版権を保有するレコード会社の利用許諾が必要。公正取引委員会によれば、5社は「着うた」サービスを行う共同出資会社『レーベルモバイル』を設立、その他配信業者に原盤権の利用許諾を行わず、他業者の配信を制限した−と

▼レコード会社にとっては、今後はこれら配信事業がビジネスの大きな割合を占めていくことになるだろう。そう考えれば「レコード会社」という呼び名自体いかにも古めかしい。ケイタイやパソコンで音楽を楽しむ若者達からすれば、レコードはおろか、CDすら既に「旧時代の産物」となっているのかも。(新・YA)

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