コラム

2005/07/13

マイナスとプラスの世界(前・HM)

2005.07.13 【マイナスとプラスの世界】

▼ボクシング元統一世界ヘビー級チャンピオンのマイク・タイソンが引退する。史上最年少王座獲得からタイトル統一、服役、そして耳噛み事件など、リング内外で多くの話題を提供してきた鉄人も、20年の現役生活に別れを告げる

▼タイソンのボクサー人生後半は、公私含め問題が多く、とかく批判の対象となりがちだった。もちろん起こした問題についての非難は仕方がない事だ。しかし、過去に遡ってそのキャリアまで否定するような意見もあり、これには若干抵抗を感じてしまう。是々非々があっても良いのではと

▼「元々人間的に問題があった。少年院も出ているし」という意見を言う人も多い。しかし以前は、「少年院でボクシングと出合い、チャンピオンにまでなってすごい」と皆に言われていたのだ。事業に成功しても、違法行為で一度失脚すると根こそぎ否定されるのが日本の常。終わりよければ全て良しの言われだ

▼これは、公共事業についても言える。確かに過去には不必要と思える事業もあったかもしれない。しかしそのために悪の根源のようにされ、全ての事業に対して「無駄」という色メガネで見られているように感じる。しかし、今でも高速道路などの大型事業を望む地域もある

▼プラスとマイナスが相殺するのではなく、マイナスもあり、プラスもあるという見方があっても良いと思う。マイナスはマイナス、プラスはプラスとして、それぞれをしっかり評価する事が大切ではないだろうか。公共事業は市民のための事業、いわゆるプラスの認識をPRしなければならない。官民が共通意識としてプラス環境を改めて整備する必要がある。(前・HM)

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