コラム

2005/07/22

「和」の生活を見直す(水・KK)

2005.07.22 【「和」の生活を見直す】

▼この時期になると日本列島も南から順次梅雨明けの便りが届いている。子供達の夏休みも始まり元気に走りまわる彼らを横目にしばらくは蒸し暑い日本の夏に悩まされそうである

▼ここ何年かレトロブームが続いている。以前は時代遅れのものとして伝統的な「和」の生活様式はどんどん失われてきた。それがスローフード、スローライフへの関心の深まりとともに少しずつ見直されはじめている。書店には田舎暮らしを推奨する書籍、雑誌が並び、テレビの旅番組でも牧歌的で叙情的な日本の原風景や四季を通じた自然の移ろい、自然と人との共生を取り上げたものが少なくない

▼日本には春夏秋冬を快適に過ごすための先人の暮らしの知恵があるが、とりわけ多いのが夏を涼しく過ごす「和」の知恵ではないだろうか。Tシャツ、エアコン、アイスクリームに対して浴衣、風鈴、打ち水、和菓子…また「和」の夏の遊びといえば、花火大会に盆踊り、そして夏祭り。きわめて洋風に近い和洋折衷の現代の暮らしの中で、唯一祭りだけは「洋」の要素が皆無のものだろう

▼現代の我々の生活様式や価値観の多くがアメリカナイズされたものになっている。アメリカはスポーツや芸能面で優れた国だが1人当たり日本の2倍エネルギーを消費する国でもある。英語で「もったいない」という日本語の訳語はないそうだ

▼日本は特に春夏秋冬が明確なこともあって、折々の花鳥風月を愛でる心が豊である。伝統的な「和」の生活は多くの日本人に普遍的な心地よさを感じさせる要素があるのだろう。まだまだ続く暑い夏を「和」の心で楽しんでみるのも一興かも。(水・KK)

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