コラム

2005/07/26

水戸発祥のオセロゲーム(水・YH)

2005.07.26 【水戸発祥のオセロゲーム】

▼昭和20年8月茨城県の水戸はB29による数万発の焼夷弾による大空襲で焦土と化した。遊び道具も無い荒れ果てた環境の中、旧制水戸中学(現・水戸一高)の長谷川五郎少年が相手の石を挟んだら取るというゲームを考案。オセロゲームの誕生である

▼学校では10分間の休み時間にボール紙で作った白黒の石で熱中する風景が。ルール、用具がシンプルであることから急激に広がった。昭和43年には五郎氏の父親・四郎氏(英米文学者)が「オセロ」と命名。47年には玩具メーカー?ツクダから製品化され爆発的な人気商品に

▼オセロ命名のいわれはシェイクスピアの4大悲劇の一つ「オセロ」による。主人公・オセロは黒人、最愛の妻は白人。いわゆる讒言(ざんげん)によって妻を殺し、果ては自ら命を絶つという悲劇。凱旋将軍オセロの悲喜こもごもは、文字通りゲームそのもの

▼近年ではどこの家庭でも一台はあるこのオモチャだが、世界では30か国以上で親しまれ、今では6億人が楽しむゲームに成長。日本では将棋や囲碁を凌ぐ5000万人が愛好家。定石もあるが「覚えるのに5分、極めるのに一生」と言われ、名人でも5手先以上は読みにくいとされている侮れないゲーム

▼平成18年には第30回世界選手権大会の水戸開催が決まっている。水戸発祥の誇りを思いに「水戸オセロプロジェクト推進委員会」の設立が準備中だ。「郷土愛につなげたい」「ホスピタリティ豊な街に」「一人一人の個性を活かせるまちづくり」がねらい。地域の個性を活かし、大きな広い目で地域の活性化を図ろうとする純粋な思いが伝わる。こうしたスタンスが求められる時代だ。(水・YH)

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