コラム

2005/08/02

インフラの脆弱さ露呈(水・YH)

2005.08.02 【インフラの脆弱さ露呈】

▼7月23日夕方4時半過ぎ、JR常磐線特急ひたち号が急停車。「何事か」といぶかる中「地震が発生、安全を確認中」と車内アナウンス。冷静な声色が周囲の不安を払拭させる。しかし具体的な説明までに30分を経過

▼ラジオを携帯していることに気付きスウィッチをひねる。臨時ニュースは「常磐線は通常通り」と頓珍漢な放送。この時東京で震度5を記録し交通機関がマヒ状態などとは知る由もない。各駅停車の電車は駅で待機。その中をソロソロと運行し、結局1時間40分遅れで目的地に到着。今だから言えるが貴重な体験をした

▼世界一の文化都市とのたまう東京では99箇所のデータが集中し気象庁への連絡が30分も遅れた。初動が大切な災害時に大失態である。数々の防災会議が開かれ、多くの都民は「我が町の体制は万全」と思っていたに違いない。これが脆くも崩れ去ったから大問題。首都東京でさえこの体たらく、地方では想像もつかない状態と考えられる

▼市民の生活を守る最低限のインフラについては「万全」と語り尽くされているはず。だが今回の一連の騒動は「不備」とする現実を露呈した形だ。「公共事業は金がかかるから不要だ」、「日本のインフラはもう充分だ」などどする一般論に、改めて警鐘を鳴らすに充分な今回の地震騒動だ。昨年の新潟中越地震の教訓はどこに生きているのか

▼インフラ整備とは、取りも直さず我々の足下を安全に保つことだろう。それをのべつ「反対」とする偏った意見には、真剣に危惧しなければならない。まさか「喉元過ぎればなんとかなる」などと流暢なことを言っていはいなだろうが。市民の声が大きな力になる。(水・YH)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら