コラム

2005/08/20

消しゴムを探る(甲・SA)

2005.08.20 【消しゴムを探る】

▼近頃すっかり鉛筆で字を書かなくなった。手紙や文章を書くにしても、キーを叩くだけで文字の変換が容易なパソコンに頼りっきり。当然だが、消しゴムも随分手にしていない

▼この消しゴムの誕生だが、16世紀に鉛筆が生まれた後に登場した。これが無い頃は何とパン(小麦パン)で文字を消していた。その後、1770年に酸素を発見したイギリスの化学者プリーストリーが、天然ゴムで文字が消えることを発見。最初に販売された消しゴムは、角砂糖ほどの大きさで売られていた

▼日本にもその文化が伝わりプラスチック消しゴムを開発したのは日本が最初。また、消しゴムは、金属に付着したサビや汚れを落とすことができる砂消しゴムなどがあり、用途も種類も様々だ

▼また、安価で気軽に収集し、楽しむことのできる消しゴムもある。コレクターでタレントの楠田枝里子さんのHPを閲覧してみた。コレクションを見ると、インスタントラーメン、セロハンテープ、トイレットペーパーなど日常生活に欠かせないものや、社団法人・全日本文具協会から彼女に贈られた「表彰状」の消しゴムまである

▼HP内で彼女は「そもそも消しゴムは、形作られたひとつの世界を消滅させるために生まれてきたのです。しかも、他を破壊するだけでなく、自らも身を捩りながら自他共に消滅していく…そんな宿命を負っているのです」と消しゴムを愛しく思いながらも、切ない気持ちを語っている

▼そして彼女の夢は「宇宙時代の消しゴムが見てみたい」そうである。それほど遠くないであろう宇宙時代の消しゴムはどんな進化をしていくだろうか。興味は尽きない。(甲・SA)

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