コラム

2005/09/09

一途さこそ成功の道(水・KK)

2005.09.09 【一途さこそ成功の道】

▼ボクシング界にすごい新星が現れた。勝ちっぷりの見事さとビッグマウスで話題の亀田興毅が8月21日、圧倒的強さで、デビュー8戦目で東洋太平洋フライ級タイトルを獲得した。20歳の誕生日までの世界王座獲得という公約が現実味をおびてきた

▼それまでの相手が半ば引退状態の元世界王者や無名のタイ人選手ばかりだったため、亀田の実力に疑問を持つ声もあった。しかし普段の大口とは対照的に練習中の彼は寡黙な修行僧のようだ。1日5時間ものトレーニングを黙々とこなす。飽きるということは亀田の辞書にはないようだ

▼6人もの世界王者を育てた伝説的トレーナー、故・エディ・ダウンゼントが素質?1と断言した元東洋ミドル級チャンピオン、カシアス内藤。彼が世界に届かなかったのは、優し過ぎる性格と欲の無さだ。むらっ気から永いブランクも作った。彼のカムバックは『一瞬の夏(沢木耕太郎著・新潮社刊)』に詳しい

▼私事だが、仕事帰りにスイミングクラブに通っている。社会人スイマーは大半が似たりよったりのレベルだが、Tさん(30歳)、Kさん(37歳)は壁を破った数少ない存在だ。毎日欠かさず現れ、閉館時間まで熱心に練習を続ける。Tさんが100m自由形1分前後、Kさんが1分10秒前後と堂々たるものだ

▼亀田興毅は一途な18歳だ。彼は世界を獲れるだろうが、少しマナーが芳しくない。カシアス内藤こと内藤純一さんと話したことがある。その人柄に魅せられて大ファンになった。アリスの曲『チャンピオン』も彼をモチーフにしているほどだ。チャンピオンへの道には謙虚な一途さを欠かせないと思うが。(水・KK)

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